屍人荘の殺人|今村昌弘|一時間半で世界は一変した。籠城を余儀なくされた事態で連続殺人の魔の手から彼らは生き延びることができるのか。鮎川哲也賞受賞作。

屍人荘の殺人

神紅大学のミステリ愛好会会長であり、「神紅のホームズ」と呼ばれる明智恭介とその助手である葉村譲は、警察も顔負けの多くの事件を解決してきた天才探偵美少女、剣崎比留子と共に、映画研究部の曰くつきのペンションでの合宿に参加することになります。そこで突如起こった密室殺人事件は連続殺人の幕開けでした。班目機関がもたらしたテロが原因で起こった、誰もが想像だにしなかった未曾有の危機的状況で、ペンションでの立てこもりを余儀なくされ、しかもその密室状況下で、犯人不明の連続殺人事件が起こるという絶望的な状況で、彼らは生き延びることができるのか。ホラーとミステリーの融合が新しい小説です。

 

本作のすごいところは、精緻な謎解きの仕掛けを非現実的なホラー要素を入れてエンターテイメントとして完成させているところです。特殊設定ものなので、定義付けが難しいところも、きちんと読者に分かるように説明するようになっていて、論理的に謎解きができるようになっています。伏線が物語のあらゆるところに散りばめられていて、それぞれにきちんとした意味があって、綺麗に回収されていくのがとても美しいです。

ミステリーとして謎解きができる。ホラーとして楽しめる。この二つ要素を両立させるのも大変ですが、青春小説として、若き大学生たちの心の葛藤や過去の傷、恋愛の美醜、儚く脆い気持ちなども、鮮やかに描き出しているのも大変面白いです。

 

ネタバレは極力したくありません。ぜび実際に読んでみて、ミステリー×奇想の圧巻のエンターテイメントをお楽しみください!

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