ドミノin上海|恩田陸|抱腹絶倒のドタバタコメディ。25人と3匹の人生が交差する瞬間!

ドミノin上海

東京駅を舞台にしたハチャメチャコメディ、「ドミノ」の第二弾として執筆された「ドミノin上海」。25人と3匹の人生がすれ違い、交差する瞬間を描くドタバタパニックコメディで、個人的に前作を超える面白さでした。上海という舞台の喧騒やカオスな雰囲気もこの作品のテンポの良い展開にすごくマッチしていてよかったです。上海という鮮やかな街を彩る色彩が場面場面で映えて、よりくっきりと妄想が膨らみます。街を覆う渋滞にイラつくクラクションの音や、せかせかと歩く地元の人々や大きな声ではしゃぐ観光客、鮮やかな街の裏側で蠢く犯罪の気配など、沢山の人々によって形作られる巨大な人間のエネルギーの塊が、物語をよりスピーディに進めていきます。

前作に出てきた関東生命の面々やヤクザ上がりで「ぴざーや」を経営する市橋健児、イグアナのペットを溺愛するホラー映画監督、フィリップ・クレイブンなど、前作から引き続き登場する人々もそのキャラクターをさらにパワーアップさせています。もちろん、本作から出演する面々もキャラクターが濃すぎて面白いです。特にツボなのが、動物園から脱走したパンダ、厳厳。性格がめちゃくちゃすれてて面白いです(笑)

とにかく色々なところで、ハプニングが起こっているのが、最後に一つの場所に集まってなんとなく一件落着する瞬間がたまらなく面白い。そこに至るまでのそれぞれの登場人物の混乱が読者だけは客観的に全部知ることができるから、ちょっと意地悪だけど、ニヤニヤしながら傍からみていられるのが楽しいです(笑)

「ホテルに猛獣が逃げ込んでチンピラが暴れて人質を取って美術品が盗まれてあちこち壊されて猛獣も人質を取って犬が行方不明?ほんとに全部、今青龍飯店で起こっているっていうのか?」

これが終盤に物語が一点に集約していく場面の様子です。一体全体、恩田陸さんはどんな風にこれを組み立てていったのか不思議です。すごすぎる。

 

恩田陸さんはミステリーやファンタジー、人間ドラマのような感動的な作品も描くのがすごく上手なのに、こんなドタバタエンターテイメントも書けるなんて本当に凄い作家さんだなと思います。ぜひ、シリーズ化して、違う舞台の「ドミノ」も執筆してほしい。ほんとに、「読めば開運」の圧倒的エンターテイメント。皆さんもぜひ読んでみてください!

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